はやぶさ2の快挙と「中国製造2025」の衝撃

2月22日、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」に着陸を試み、成功したというニュースが流れてきました。はやぶさの初号機で培った技術力を生かし、さらに失敗を教訓として何度も訓練を繰り返し、何としても成功させるという関係者の皆さんの不断の努力に心から敬意を表したいと思います。

しかし、この計画も非常に少額の予算で運営されています。

翌23日の日本経済新聞の記事の見出しは下記のとおりです。

「宇宙小国日本 技で勝負 はやぶさ2着陸~少ない予算で生きる道~」

そして、記事は下記のように書かれています。

「(中略)宇宙開発にかける資金では、日本は米中に遠く及ばない。米国は航空宇宙局(NASA)だけで年間予算は約200億ドル(約2兆2千億円)。防衛関連も含めると、4兆5千億円前後と推定される。中国の予算は明らかでないが、米国に匹敵するとみられる。
日本はJAXAの予算は約1800億円で、防衛省の宇宙関連予算を合わせても3千億円足らずだ。米国の10分の1にも満たない。
はやぶさ2の費用は289億円。惑星探査機より1ケタ少ない水準だ。少ない予算の中ではやぶさ計画で培った技術とノウハウは日本にとって大きな武器になる。」

これを読んでも、いかに少額の予算でこの計画が運営されているかがわかります。多額の予算をかければいいというものではない、ということもわかりますが、それにしても日本は米中に比べて非常に不利な条件の下で研究が行われているのです。

「中国製造2025の衝撃」という本があります。今年の1月に出版された本ですが、著者は遠藤誉さん。中国生まれ中国育ちの日本人で、中国の現在の真の姿について、さまざまな著作を著している方です。

「中国製造2025」とは、製造業を強化して2025年までに「MADE IN CHINA」の製品を70%まで高めることを国家目標に掲げるという意味です。

中国は、いまでも世界の工場として、さまざまな製品を作っています。しかし、基幹部品は日米などから調達しており、このままではただの組み立て工場に過ぎません。これを脱却し、本当の製造業の実力をつけようとしているのです。「まえがき」から一部抜粋してみます。

『中国は2015年5月に「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」という国家戦略を発布し、2025年までにハイテク製品のキー・パーツ(コアとなる構成部品、主として半導体)の70%を「メイド・イン・チャイナ」にして自給自足すると宣言した。同時に有人宇宙飛行や月面探査プロジェクトなどを推進し、完成に近づけることも盛り込まれた。

アメリカや日本を中心として運営されている国際宇宙ステーションは、2024年あたりに使用期限切れとなることを見込んで、中国が中国独自の宇宙ステーションを2022年までには正常稼働できるようにする国家戦略が〔2025〕に潜んでいるのである。

トランプ政権は2017年3月以来、米中の貿易不均衡と知的財産権侵害などを理由に中国からの輸入品に高関税をかけ、中国も報復関税で応酬するなどして米中貿易摩擦を生んでいるが、トランプが怖れているのは、〔2025〕により中国がアメリカを追い抜くことである。

一つには、ハイテク分野において半導体などに関するコア技術さえあれば、それはスマホやパソコンといった日常のハイテク製品のみならず、軍事にも宇宙開発にも応用することができるからだ。

(中略)

そこで習近平は2013年が明けるとすぐに、中国アカデミーの一つである中国工程院に命じて「製造強国戦略研究」に着手させ、2015年の〔2025〕発表に至ったわけである。

と同時に「中華民族の偉大なる復興」を実現する「中国の夢」を政権スローガンとした。

これは1840年のアヘン戦争以来、中国が列強諸国の植民地となった屈辱から抜け出して、アヘン戦争前の中華民族の偉大なる繁栄を復興させようというものだが、習近平政権誕生前夜の反日デモを考えると、その心には「再び日本からの屈辱を受けてはならない」という要素が大きなパーセンテージを占めていただろうということは十分に推測される。

ところが、2017年1月にトランプ政権が誕生すると、事態は一変してしまった。

「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ大統領は、2017年末あたりから対中強硬策に出始め、米中貿易戦争を通して、なんと〔2025〕を阻止し始めたではないか。

アメリカにとっては、〔2025〕が成功すれば、アメリカは世界のトップリーダーの地位から転落する危険性を持つ。だからトランプは宇宙軍の創設を提案しているくらいだ。

習近平にしてみれば、「反日」を軸として中国共産党統治の正当性を強調して、一党独裁体制を維持しようというもくろみと、反日デモをおこさせてはならないという相矛盾する葛藤の中で、一刻も早く〔2025〕を完遂しようと焦っていた。永遠の後進国から抜け出し、「量より質」で勝負できる国にならなければ、「中華民族の偉大なる復興」を目指す「中国の夢」は実現できない。それを実現するまでは退けない。だから、習近平は2018年3月に国家主席の任期制限を撤廃して、せめて〔2025〕はやりとげようとしていたのである。

しかし中国は今、トランプが仕掛けてきた米中貿易戦争は〔2025〕を破壊させるためであり、中国の特色ある社会主義国家を崩壊へと導くためであると解釈するに至っている。だから一歩も引かない。〔2025〕はトランプの攻撃により、今や社会主義体制を維持できるか否かのデッドラインと化してしまったのだ。』

では、この状況で中国はいかにして〔2025〕を実現しようとしているのでしょうか。

一つは人材の獲得です。外国人はもちろんですが、このような米国の戦略を考えると、外国人に頼るわけにはいきません。そこで、中国国内での人材育成に力を入れ始めているのです。

もう少し抜粋してみます。

『胡錦濤政権時代(中共中央総書記としては、2002~2012年、国家主席としては2003~2013年)に入ると、2008年からは「千人計画」、2012年からは「万人計画」を立ち上げて、外国人を含めた世界トップ人材のヘッドハンティングを始めている。この計画は次世代を担う若き研究者たちを養成するために、大学や研究所に世界のトップ頭脳を派遣するのが主たる目的だ。人材資源の持続性を狙っている。(中略)

ただ注目すべきは、帰国留学人員の数は、改革開放以来の累計が、2017年度統計で313万2000人であるのに対して、第18回党大会(2012年11月)以降に帰国した留学人員の数は、231万3600人に達するという事実だ。2018年は改革開放40周年になるが、習近平政権になってから帰国した留学人員の数が、40年間のうちの73・87%を占めていることから、いかに習近平がコア技術を緊急に高めようとしているか、その緊迫性がうかがえる。』

このように中国は、誰もが認識できる国家目標を設定し、その実現にむけて行動を起こしています。明確に予算を増額し、予算とスローガンの両方を使って国民の意識を高め、誇りを取り戻し、強い国を作ろうとしているのです。そしてそのために必要な人材への投資を怠りなく進めています。

実は、かつてこれと同じことをやっていた国があります。他でもない、日本です。

明治維新のころの日本は、欧米列強に追い付くべく、多くの留学生を欧米に派遣し、また巨額の予算を投じて諸外国からお雇い外国人を受け入れ、最先端の知識・技術の習得に努めました。留学生たちはその後帰国し、日本人の手で日本人の教育を施すことができるようになりました。その結果、日本は瞬く間に欧米列強と肩を並べる「大国」の一角を占めるようになったのです。人材への投資を怠りなく、そしてスローガンは「富国強兵」であったのです。分かりやすい国家目標と確実な人材投資が豊かで強い国を作ります。これを実践してきたのが、わが国だったのです。

しかし、今の日本はその面影はありません。大学に対する運営費交付金や科学技術予算が削減され、国公立大学の授業料もかつてのように数万円ではなく、年間60万円ほどかかることになっています。これらの予算の削減により、論文数が世界に比べて激減しているのはよく知られているところです。外国人留学生の受け入れには非常に積極的で、給付型奨学金の予算も潤沢についていますが、日本人に対する奨学金は貸与型。給付型の奨学金は昨年からようやく開始された程度。それまでは貸与型の奨学金がほとんどで、多くの学生は、社会に出たそのときから多額の奨学金返済に追われることになっています。

今の日本は、外国人には非常に優遇措置があり予算もつけるけれども、日本人に対しては非常に厳しく、「自己責任」の名のもとに教育も自己負担でするようにとなっているのです。

しかも、国のためのスローガンというものがなく、「グローバル人材」といういわば「無国籍」の人材育成を奨励し、国のために働くということはばかばかしいことのようになり、自分の利益追求のために転職を繰り返し、起業し、金儲けをした人が「成功者」のように称えられています。これでは、明確な国家戦略を立て、国家予算を投入して科学技術立国を目指している中国に勝てるはずがありません。

日本の10倍の人口を持ち、日本の3倍の経済規模を持つ中国を、いつまでも「後進国」のイメージでとらえていると、大変なことになります。日本では入管法の改正により外国人の受け入れを本格化していくことになりましたが、外国人に門戸を開いて真っ先に来るのは、一番近くて人口の多い国からと考えるべきでしょう。さらに日本は投資市場も開放していますから、近くて経済規模が大きく、人口も多い国が巨額の資本と人員を一気に投入してきたらどういうことが起きるか。想像に難くありません。

国会においても、行き当たりばったりの議論ではなく、将来の国家はどうあるべきなのか。そのための予算編成はされているのか。そういう議論がなされるべきですが、残念ながらそういう議論はほとんど行われず、スキャンダルや不祥事の追及ばかりになっているのが現状です。日本の政治の在り方そのものが問われていると思います。

-「ひろしの視点」第54号(2019年2月)より-

イギリスのEU離脱の行方

~英国内で起きていることと、グローバリズムの弊害~

イギリスのEU離脱が混迷しています。

ご承知のとおり、メイ首相が提案した離脱案は議会で否決され、その後修正案を提示しても可決できる見込みは極めて低くなっています。

これにより、合意なき離脱が現実となり、その後のイギリスとEUとの貿易をはじめとするあらゆるモノやヒト、カネの動きは相当混乱することが予想されます。

しかし、イギリスのEU離脱は、実は将来の英国にとっては良い選択である、ということができます。グローバル化が進展し、ヒト・モノ・カネの動きを自由にすれば、必ず経済成長して皆が豊かになれる。そういう発想でヨーロッパの経済統合は進められてきました。

しかし、EU圏内では、いま貧富の差が拡大し、さらに移民問題も大きな課題として浮上してきました。移民問題は、以前から存在していましたが、なかなか表には出て来なかったのです。というのは、移民を政治課題や社会問題として発言すると、「人種差別者だ!」とか「古い考え方だ!」「国粋主義者だ!」「極右だ!」みたいなレッテルを貼られてしまい、発言が封じられてしまい、冷静な議論ができなくなってしまうからです。

最近日本で発売された「西洋の自死」という本があります。これは、原題は「THE STRANGE DEATH OF EUROPE」ですから、直訳すれば「ヨーロッパの奇妙な死」となるのですが、文字通り、ヨーロッパはいま移民によって元々のヨーロッパとは異なるものに変貌しつつある、というのです。

どういうことか。この本の冒頭部分を書き出してみましょう。

「欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した。欧州の大衆がその道連れになることを選ぶかどうかは、もちろん別の問題だ。

私が「欧州は自死の過程にある」と言うのは、「欧州委員会の規制の重みが耐えがたくなっている」という意味でもなければ、「欧州人権条約がある特定のコミュニティを十分に満足させてこなかった」という意味でもない。「私たちの知る欧州という文明が自死の過程にある」という意味である。英国であれ西欧の他のどの国であれ、その運命から逃れることは不可能だ。なぜなら我々は皆、見たところ、同じ症状と病弊に苦しんでいるからである。結果として、現在欧州に住む人々の大半がまだ生きている間に欧州は欧州でなくなり、欧州人は家と呼ぶべき世界で唯一の場所を失っているだろう」

出だしから衝撃的な書き出しなのですが、その後、英国の様子が書かれている部分があります。それも長いですが、一部抜き出してみます。

『少数派になった「白人の英国人」』

「欧州で進行しつつある変化の規模と速度を理解するには、ほんの数年ほど時代をさかのぼり、現在の移民危機が発生する以前の、「正常な」移民が行われていた時期に立ち返ってみることが有効だ。また最近の混乱からは多少なりとも距離があった頃の国家について考察することも無駄ではあるまい。

2012年に英国内のイングランドとウエールズにおける最新の国勢調査の結果が発表された(調査の実施は前年)。そこには前回の国勢調査以降の10年間で、英国がどれほど変わったのかが示されていた。ここで2002年当時のある人物が、その国勢調査から見出した事実を基に、次の10年間を予測したと仮定しよう。その人物が次のように語ったとしたらどうか。「今後10年以内にこの国の首都では白人の英国人が少数派となり、イスラム教徒の人口が倍増するだろう」

こうした言説が果たしてどのように受けとめられただろうか。「心配性」「人騒がせ」といった言葉が間違いなく向けられ、果ては「人種差別主義者」や当時は新語だった「イスラモフォビア(イスラム嫌い)」のそしりを受けていた可能性も高い。いずれにせよ、そうした予測が温かく迎えられなかったことは確実だろう。疑う向きはその典型例を一つだけ思い起こしてみるとよい。2002年に「タイムズ」紙のある記者が将来の移民の動向に関して上記よりはかなりトーンを抑えた予想を書いたところ、デビット・ブランケット内相(当時)から「ファシズムすれすれ」だと糾弾されたのだ。

だがどれほど批判されたにしても、2002年にそのような分析を行った人々は完全かつ全面的に正しかった。2011年に実施され、2012年末に結果が公表された次の国勢調査によって、上記ばかりか、それを遥かに超える事実までが明らかになったのだ。イングランドとウエールズの居住者中、国外で生まれた人々の数は、直近の10年間で300万人近く増えていた。またロンドンの住民の中で、自らを「白人の英国人」と回答した人々はわずか44・9%だった。さらにイングランドとウエールズに住む人々のうちの300万人近くは、英語を主たる言語とする成人が1人もいない家庭に属していた。

これらは歴史的に見ても、一国の人種構成として極めて大きな変化ではある。英国ではしかし、宗教から見た人口構成に関しても同じように特筆すべき変化が起きていた。たとえば同年の国勢調査では、キリスト教を除くほとんどすべての宗教で信者数が増えていることが明らかになっている。昔ながらの英国の国民的宗教だけが唯一、急激に衰退しているのだ。前回の国勢調査以降、自分はキリスト教徒であると回答した住民の割合は72%から59%に低下した。イングランドとウエールズに住むキリスト教徒の実数は400万人以上も減少し、3700万人から3300万人へと落ち込んだ。

キリスト教徒の信者数が激減するーそして今後も減り続けるだろうと予想されるー一方で、イスラム教の信者数は、移民の大量流入の影響もあって2倍近くに増えていた。2001年から2011年の間に、イングランドとウエールズに住むイスラム教徒の数は150万人から270万人に増加している。しかもこれは公式な数値に過ぎず、不法移民も含めればその数はもっとずっと多くなるはずだ。英国に不法入国したーつまりは国勢調査に回答する可能性の低いー人々は、少なくとも100万人はいると考えられる。また、最も急速にイスラム教徒数が増えた二つの自治区(10年間で20%以上の増加)は、そもそも英国きってのイスラム人口を抱えていたところだった(ロンドンのタワーハムレッツ区とニューハム区)。両区が属しているのは国勢調査に回答しない住民が英国内でも最も多い地域で、およそ5世帯に1世帯が未回答だ。これらすべてが示唆しているのは、ただでさえ目をむくような国勢調査の結果すら、実際の数字を大幅に下回っているだろうということである。それでもなお、そこから見えてきたものは衝撃的だった。

だが、1年かけても分析しきれないほどの内容だったにもかかわらず、国勢調査の話題はー一過性のニュースが総じてそうであるようにー2日もすると忘れられた。問題は、これが一過性の話題などではなかったことだ。それは英国の直近の過去と、直面する現在を説明するものであり、また避けがたい未来を垣間見せるものでもあった。

その国勢調査結果を分析すれば、どうにも動かしようのない一つの結論が見えてくる。すなわち大量移民は英国をまったく違うものに変えつつあるということだ(実際、すでに変えた)。2011年の英国は、もはや何世紀にもわたって続いてきた英国とはまるで異なる場所になっていたのだ。しかし、たとえばロンドンの33区中23区で今や「白人の英国人」が少数派になっているといった事実に対しては、国勢調査結果それ自体と同様に前向きな反応が寄せられた。英国の国家統計局(ONS)のあるスポークスマンは、この調査結果を大いなる「多様性」の表れだと歓迎している。

一方、政界とメディアの反応は、驚いたことにたった一つのトーンに凝縮されていた。主要な政党の政治家は皆、同年の国勢調査結果に対し、等しく祝福を送ったものだ。それは何年も前から変わらぬ風潮だった。2007年には当時のロンドン市長のケン・リビングストンが、ロンドンで働く人々の35%が外国生まれであるという事実を誇らしげに語っている。残る問題は、そこに最適な限度があるのかという点だった。ここ何年もの間、英国の変化に対して期待と楽観以外の感情を示すのは不適切であるかのような雰囲気があった。それを下支えするために、これは別に目新しい現象ではないのだという弁明がなされてきた。」


ダグラス・マレー著
中野剛志解説/町田敦夫訳
東洋経済新報社/2018/12/14刊

移民が英国という国柄を大きく変えてしまっている。私たち日本人から見れば、英国は「白人のキリスト教徒の国」というイメージがありますが、実態は大きく変貌しつつある。ロンドンでは白人は少数派になり、キリスト教徒は減少し続け、イスラム教徒が急速に増えつつある。しかも、エリート層はこれらの変化を「歓迎」するコメントを出し続けるのです。

そして、これら移民の受け入れは次の理由で正当化されると分析されています。

  • 大規模な移民は我々の国々の経済を利する
  • 高齢化する社会では移民を増やすことが必要だ
  • いずれにせよ移民は我々の社会をより文化的で、興味深いものにする
  • たとえ上記がすべて誤りでも、グローバル化が進む限り、大量移民は止められない

いま、日本でも入国管理法が改正されて外国人労働者の受け入れが拡大することが決定しましたが、日本でも同様の議論がなされたことは皆さんもご承知の通りです。

そして、日本の国会での議論は、外国人労働者の人権の話は議論されたものの、日本人社会にどのような影響を及ぼすのか、日本人社会を守るためにはどういう対策が必要か、といったことについては一切議論がされませんでした。将来の日本が、この本の英国のように変化していく恐れは多分にあります。しかし、エリート層の発言は、「少子化なので外国人の受け入れはやむを得ない」「多文化共生社会の実現は日本にとってよいことだ」「労働力不足が日本の経済成長の足かせになる」「グローバル化は避けられない。日本は鎖国していてはならない」という論調が主流になっています。まさに、この本の指摘通りの議論が日本でも行われているのです。

日本の報道では、イギリスのEU離脱はとんでもない選択である、という論調で報道されています。しかし、これらの実際に起きている現象を見ると、離脱の選択をするのは合理的な選択であるということができます。

問題は、離脱に至る道筋が極めて不透明で、混乱をきたす恐れがあるということです。離脱の道筋さえしっかりつけることができれば、英国内の混乱も一時期よりは落ち着き、経済的にも成長するでしょう。(EUから離脱すると英国が経済的に困窮するというのは当たらないと思います。なぜなら、英国がEUから離脱した後もEUと貿易するということは、日本や米国と同じ条件でEUと取引する、ということに他ならないからです。日本も米国も、EUに加盟していなくても普通に取引をしています。日米と同じ条件になるというだけの話です。)

恐らく、離脱することによって英国の労働者の賃金は上がり、関税が復活するので国内産業は保護され不当な安値で取り引きをしなくてはならない事態から解放されるでしょう。英国は通貨統合までしていなかったのが幸いし、財政政策も自由にとることができるので、経済政策も自由に英国民のために行うことができるようになります。問題は、それまでの移行コストがどの程度かかり、それに政治的なエネルギーをきちんと割くことができるかどうかという点だろうと思います。

EUでは、英国に続いて各国で離脱運動が大きくなりつつあります。フランスでも黄色いベスト運動が大きくなってきていますが、この運動も反グローバリズム運動です。日本では極右のおかしな政治団体の活動のように報道されていますが、実際は静かなデモを行っているようで、でも主張は決して極右ではなく、極めてまっとうな権利の主張であり、健全なナショナリズムを取り戻す運動であるようです。

世界の反グローバリズムの動きをどう捉えるべきなのか。日本も真面目に考えなくてはなりません。


-「ひろしの視点」第53号(2019年1月)より-

平成31年度予算案と30年度補正予算案が決定しました

平成31年度予算案と30年度補正予算案が決定しました。

補正予算案では、緊急インフラ総合対策として7兆円が確保されました。毎年決定されている今年の漢字に「災」が選ばれたように、今年は本当に災害の多い年でありました。地震、大雨、台風による風水害により全国各地で大きな被害が発生しました。京都南部でも地震や大雨、風害などで大きな被害が発生しました。

北海道では胆振東部地震が発生し、全道が停電となる「ブラックアウト」が発生しました。泊原発が動いていれば、このような事態は発生しなかったと言われています。苫東厚真火力発電所が泊原発の停止している分も引き受けて、北海道の電力の40%を供給していました。そこが停止してしまうと、とても全道の電力を賄うことはできないわけですが、そのための備えは全くされていなかったのです。

電力というものはとても難しい商品で、常に需要量に応じて発電量を調整しなくてはなりません。よく例えられるのは、栓の抜けているお風呂です。栓の抜けているお風呂に、蛇口から水を入れながら水量が一定に保てるようにしなくてはならないようなものが電力サービスだということなのです。そして、電話の場合には、回線が一杯になったら「話し中」になるだけで、一人だけがそのサービスを受けられないということになりますが、電力の場合は、需要と供給のバランスが崩れると、その供給地域全部が停電になる「ブラックアウト」が発生してしまうのです。これが発生しないように、電力会社は需要量を予想しながら発電量を調整しています。今のところ電気は大量に貯められないので、いつも余裕を持った発電設備を維持しながら発電量の調整をしているのです。

これがぎりぎりになると、どこかの発電所の不具合で全土が停電になることが当然予想されます。今回の地震は、まだ暖かい時期だったのでよかったのですが、もし厳冬期の北海道で同じようなことが発生したら、本当に大変なことになっていたでしょう。

今回の緊急インフラ点検では、全国で電力を含めた総合インフラ総点検を行い、ブラックアウト対策も含めて非常時に備えるインフラ整備が施されることになりました。

また、京都南部に住む私たちの生活に密着する宇治川や木津川の河川整備も盛り込まれました。河川敷地内に繁茂している樹木伐採、河床掘削、堤防強化なども行われることになりました。毎年、雨の時期になると心配していましたが、これらの整備が進めば少しは安心できるのではないかと期待しています。

これらのインフラ整備は、私の主宰する「日本の未来を考える勉強会」でも繰り返し提言してきた「公共事業予算の拡大」が一定の成果を出せたものだと思っています。特に、今年の豪雨災害を受けて提出した「自然災害大国における国土強靭化「投資」の財政措置に関する緊急提言」の内容が反映されています。この提言内容に比べると、まだまだ不十分なのですが、まずは第一歩が踏み出せてよかったと思っています。

また、来年度予算も100兆円の大台を超えました。例によって「放漫財政」や「財政再建に逆行」などの批判がされています。

しかし、この予算案についても、私たちの「日本の未来を考える勉強会」では、歳出拡大の提言をし、〝少なくとも名目経済成長率と同じだけ歳出拡大するのは合理的である〟という提案をしてきました。

経済成長しようとすれば、それだけ政府支出も拡大するのは当然です。政府支出拡大なしに経済成長するには、民間がそれを補って余りあるほどの支出拡大をしなくてはなりませんが、デフレマインドの染み付いた民間企業に、いきなり支出を拡大して給料アップや設備投資をしろといっても、それは無理です。したがって、デフレ完全脱却までは政府が率先して支出を拡大し、景気回復をリードする必要があるのです。

特に人々の暮らしを守るための公共事業予算の拡大を躊躇すべきではありません。しかも、このような政府支出の削減を続けた結果、日本の経済成長は止まり、地方が衰退して東京一極集中が加速していきました。

来年は、世界の経済も先行き不透明です。本日(12月20日)には、来年の世界経済の見通しが不透明ということで日経平均株価が急落し年初来最安値となりました。10月には2万4487円だったものが2万392円となり、たった2か月で4000円も下落しています。

米国もトランプ大統領の行動の予測が難しく、中国の経済の減速や米中摩擦も危惧されます。イギリスのEU脱退はどのような結末を迎えるのか。フランスでは国内で反政府デモが勢い付いています。これは、反EU・反緊縮財政・反グローバリズムの運動と言われています。イギリスがEUから離脱したのに続き、フランスもそのような世論が大きくなりつつあります。もちろん、フランスは通貨統合までしているために、イギリスよりももっとEU離脱は難しいとは思いますが、それでも反EU・反緊縮・反グローバリズムの動きは大きくなるでしょう。

世界経済が先行き不透明な現在は、できるだけ内需主導の経済にしておくべきです。それが国民生活の安定につながります。決して鎖国をしろとか、排外主義にしろと言っているわけではありません。そして、日本国内には防災対策をはじめとしてやらなくてはならないことが膨大にあるのです。これらに予算を付けるだけで、もともと内需主導型の経済である日本は確実にデフレ不況から脱却し、世界経済の変調に一喜一憂することなく安定して経済成長できるのです。

これからも必要なところには確実に予算を付け、経済成長と地方創生に貢献できると共に、人々の暮らしの安心安全を守り、豊かにする政策の実現に尽力して参ります。

-「ひろしの視点」第52号(2018年12月)より-

あんどう裕と語る会 in 東京のお知らせ 1月19日(土)15:00~

★あんどう裕と語る会 in 東京永田町のお知らせです。

日 時  平成31年1月19日(土) 15時00分~17時00分 

会 場  Vision(ビジョン) Center(センター ) 永田町 8階803会議室

  住所:東京都千代田区永田町1-11-28 

    合人社東京永田町ビル8階[自民党本部隣り] TEL:03-6262-3553

東京メトロ 有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町駅(3番出口)」 徒歩0分

東京メトロ 銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 徒歩5分

 

★国会議事堂見学ツアー(語る会の前に希望者の方に国会をご案内します)

  • 13:20ご集合/13:30~ご見学
  • 集合場所:衆議院議員面会受付所

★懇親会〈懇親会参加者のみ、会費5,000円〉

場  所   MADUREZ〈マドゥレス〉 17時30分~ 

          東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー1F  

          TEL:03-3261-4484

語る会は参加費無料でどなたでも参加できます。参加希望の方は

h12690@shugiin.go.jp  に参加希望のメールをお送り下さい。

 

カルロス・ゴーン氏逮捕の衝撃

日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕されました。世界を揺るがすトップニュースとして世界中に報じられました。私自身もこのニュースを聞いたときは本当に驚きました。

あれほどの大企業で、経営者の報酬を正しく開示しないということはあり得ないと、今でも思います。実際に犯罪行為があったのかどうかは、いま捜査中ですから論評するのは差し控えます。ここでは、ゴーン氏という経営者が登場したことによって、日本の上場企業経営に大きな影響があったことを論じてみたいと思います。

ルノーに救済された頃の日産自動車は、確かに経営不振にあえぎ、どこも救済の手を差し伸べていない状況でした。「技術の日産」というブランドにおぼれ、経営改革もできないままに経営が悪化し続けるという状況であったのは事実でしょう。そこにルノーが名乗りを上げて、経営者として乗り込んできたのがゴーン氏でした。瞬く間に経営を立て直し、業績をV字回復させて世間を驚かせました。日産の救世主として社内外問わず尊敬され、求心力を強めました。ルノー本体においても評価は上がり、経営中枢として信頼される経営者となりました。

企業の業績をV字回復させるためによく使われる手法は、まず含み損を抱えている固定資産の売却、固定資産や在庫の評価損を行い、新経営者が就任した年には大赤字の決算にして徹底的に資産のスリム化を図る。つまり、過去のお荷物となっていた資産を整理して身軽になり、資産も売却できるものは売却して負債の返済に充て、次年度に備えるのです。この貸借対照表のスリム化を行うことが経営改善の第一歩となります。資産を縮小することは、翌年度以降の費用を削減する効果があります。

また、損益改善としては、取引先にも大幅なコストカットを頼みやすい状況であり、社員の解雇などリストラもやりやすい状況です。いわば経営危機を利用し、外国人による会社買収という劇薬を飲むことによって会社の体質を劇的に改善したのです。ゴーン氏は「コストカッター」とも呼ばれるように、非常に厳しくコスト管理を行っていたことは想像に難くないところです。

このコストカットの手法は、他の大企業に大きな影響を与えたものと思います。そして、親会社のルノーに多額の配当を支払い、自身も巨額の報酬を受け取ることとなります。

これらが、株主配当と役員報酬の大型化、株主中心の資本主義へと日本企業が変化していった大きなきっかけとなりました。取引先や従業員に対する支払いはできるだけ安く。配当は大きく。優秀な経営者にはそれにふさわしい報酬を。一つひとつの言葉は、経営理論的には「その通り」と思うものの、社会全体で見ると、経済の停滞をもたらし、格差の拡大を招く「新自由主義」の弊害が発生してしまうのです。

かつての日本型経営は、そうではありませんでした。以前の〝ひろしの視点〟でも紹介したソニーの前身、東京通信工業の設立趣意書にはどのような記述がされているか。以下に一部抜粋してみます。

東京通信工業株式会社設立趣意書 [抜粋]

1946年(昭和二十一年)1月、ソニーの創業者の一人、井深 大(最高相談役)が起草した。

一、不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず

一、従来の下請工場を独立自主的経営の方向へ指導・育成し、相互扶助の陣営の拡大強化を図る

一、会社の余剰利益は、適切なる方法をもって全従業員に配分、また生活安定の道も実質的面より充分考慮・援助し、会社の仕事すなわち自己の仕事の観念を徹底せしむ。

東京通信工業株式会社は、1958年(昭和三十三年)社名を現在のソニー株式会社に変更

利益は取引先にも従業員にも、適切に配分することが明記されています。株主配当の最大化や経営者報酬の最大化はうたわれていません。

ゴーン氏の登場が象徴的であったと思うのは、このような理念に基づく日本型経営が否定されて、欧米型の株主利益追求型の経営が推奨されるようになる転換期に登場した外国人経営者であったということです。日本企業が経営不振に陥っていた時にその不振を劇的に改善し、その経営手腕が評価され、他の企業の模範とされました。日本型経営は古い。日本人じゃだめだ。欧米人は優れている。新しい欧米型の経営に変わらなくてはならない。ほんの少し前までは「ジャパンアズナンバーワン」と言っていたのに、一気に逆の発想に転換していったのです。

この経営者の発想の転換と政府の緊縮財政が相まって、日本の長期停滞、デフレ不況が継続する大きな要因となりました。失われた20年、そして就職氷河期を生み出してしまい、第三次ベビーブームを起こすことが出来ずに、現在の人口減少社会となってしまう結果となっています。

これらの発想を転換し、利益は適切に関係者に配分し、未来への投資と社会に還元することが必要なのです。かつての日本企業がもっていた社会に貢献し従業員の生活を守る企業の思想を取り戻してもらいたいと切に願っています。

-「ひろしの視点」第51号(2018年11月)より-

内閣府兼復興大臣政務官を拝命しました

vol50-1この度の内閣改造において、内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官を拝命することになりました。初めての政府入りになります。責任の重さに身の引き締まる思いがいたします。新しい職務で微力ながら日本国の発展のため、京都のために力を尽くしていきたいと思います。

復興庁は、読んで字のごとく災害からの復興を担当する役所です。とは言うものの、日本全国の災害復興を目的にしているわけではありません。「最近は災害が多いから大変だね。北海道や西日本豪雨の現場もいくの?」ということをよく質問されますが、復興庁は「東日本大震災からの復興」に特化している役所なので、残念ながらその他の災害復興には関与していません。

東北の被災地は、まだまだ復興の途上にあります。着任後、特に担当する岩手県の被災地を視察して参りましたが、京都にいては分からない巨大災害からの復興の難しさを実感しました。陸前高田市などは、やっと海岸沿い土地のかさ上げ工事が終わり、市街地の復興はまさにこれからという段階です。希望を持てる復興ができるように尽力して参ります。

vol50-2また、内閣府という役所は、業務内容についてなかなか説明し辛い役所です。省庁横断的な業務を担当しているので、その内容も多岐にわたります。私の担当する職務も、大きく分類しても20の分野があります。分かりやすいところでは、少子化対策、科学技術イノベーション、消費者庁などですが、そのほかに拉致問題、沖縄基地負担軽減、領土問題、沖縄・北方、宇宙政策、海洋政策、行政改革など、極めて多岐にわたり、説明を聞くだけでもかなりの時間を要しています。

業務内容を把握するだけでも大変ですが、皆様の期待に応えられるように微力ながら精進して参ります。

-「ひろしの視点」第50号(2018年10月)より-

北海道地震による全道停電の衝撃

北海道胆振東部地震が発生し、大きな被害が発生しました。また、北海道の全道が停電し、今の日本でもこんなことが起きるのかと愕然としました。季節が夏だったのでまだ良かったのですが、これが厳寒の北海道の冬季に発生していたらと考えると背筋が凍る思いがします。

その後の新聞記事等を読んでいても、泊原子力発電所が停止しているので、火力発電に頼らざるを得ないこと。火力発電も、老朽化した発電所を再稼働してなんとかやりくりしていたこと。原発が再稼働すれば一気に供給不足は解消するので、新規の火力発電所の投資はおろそかになっていたこと。太陽光など再生可能エネルギーは、まだまだ頼れる電源としては考えられないことなど、いろいろ指摘されています。

vol49-1今でも北海道の電力は急ピッチで復旧しているとは言え、ピーク時の電力需要に対応するだけの供給力は回復していません。原発が再稼働すれば一気に解決しますが、原発再稼働の新安全基準の手続き上、もう少し時間がかかるようです。厳冬期までに供給力を回復しなくては、北海道に住む国民の生活をまさに脅かすことになります。復興にも悪影響が出てきます。

これによって、我々は何を考えるべきか。この地震の直後、北海道電力は送配電部門の分社化を発表しました。これは、電力自由化が法律で決められ、その一環で発送電分離が義務付けられたので、その法律に基づき実施されるものです。今回の地震とは関係ありません。

しかし、今回の地震で指摘されたように、泊原子力発電所が停止している中でも新規の火力発電所の投資が進まなかったのは、まさに電力自由化が決められていたため、原発さえ再稼働すれば、当面無駄になる新規火力発電所を建設する理由が北海道電力にはなかったこと。新しい設備投資をするよりも、老朽化した発電所をとりあえず動かして、原発が再稼働したら老朽化した火力発電所を停止するほうがコストが安くなることは容易に想像できます。新電力とのコスト競争をしなくてはならない中で、非常時にしか使わない火力発電所を建設する理由が見当たらないのです。

電力自由化をせずに、北海道電力が地域独占で、責任をもって全道に供給する。そのためのコストは、確実に電気料金で回収することができる「総括原価方式」が残っていれば、「一見無駄な火力発電所の建設(実は非常時には必要な大切なもの)」という投資もすることができたでしょう。このような非常時の為の投資がおろそかになることは、発送電分離の議論がされていた時にも指摘されていたことです。

vol49-2また、今回の地震で全道停電にはなりましたが、復旧も急ピッチで進んでいます。これは、まだ発送電分離が実施されず、全道供給義務の責任感が北海道電力に残っているからです。これから発送電分離が進めば、「自分がやらなくてもだれかがやるだろう」「自分が復旧まで責任を持つ体制にすると、それだけ無駄な人員・設備と持たなくてはならない。コスト競争力も落ちてしまうので、それはやらない」という考え方をする電力会社も増え(当然の考え方だと思います)、結果的に災害時などの停電からの復旧が遅々として進まなくなる。そうなるのも自明ではないかと思います。

そう考えると、今進められている電力自由化・発送電分離も、もう一度立ち止まって考える良いきっかけをもらったと言うべきではないでしょうか。

北海道の場合、本州とは比べものにならないほどの厳冬期があります。ここを乗り切るのに、電力抜きには考えられません。安定した電力供給があってこそ、北海道も復興し発展するのです。このような発展の基盤となるインフラを安易に自由化すべきではありません。

-「ひろしの視点」第49号(2018年9月)より-

あんどう裕と語る会 in 和束町のお知らせ 2018/12/15(土)19:00~

あんどう裕と語る会のお知らせです。

★あんどう裕と語る会 in 和束町
 日時:平成30年12月15日(土) 19:00~20:30
 場所:和束町商工会館
 電話:0774-78-3321

★あんどう裕と語る会 in 南山城村
 日時:平成30年12月16日(日)18:30~20:00
 場所:南山城村本郷コミュニティセンター
 電話:0743-93-0880

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

あんどう裕と語る会 in 宇治市のお知らせ 2018/11/17(土)18:30~

あんどう裕と語る会のお知らせです。

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年11月17日(土) 18:30~20:00
 場所:ゆめりあうじ 4F 第1研修室
    宇治市宇治里尻5-9
 電話:0774-39-9377

★あんどう裕と語る会 in 和束町
 日時:平成30年12月15日(土) 19:00~20:30
 場所:和束町商工会館
 電話:0774-78-3321

★あんどう裕と語る会 in 南山城村
 日時:平成30年12月16日(日)18:30~20:00
場所:南山城村本郷コミュニティセンター
 電話:0743-93-0880

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

あんどう裕と語る会 in 京田辺市のお知らせ 2018/10/27(土)18:30~

あんどう裕と語る会のお知らせです。

★あんどう裕と語る会 in 京田辺市
 日時:平成30年10月27日(土) 18:30~
 場所:京田辺市中央公民館 1F 研修室1
 京田辺市田辺丸山214
 TEL : 0774-62-2552 

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年11月17日(土) 18:30~
 場所:ゆめりあうじ
    宇治市宇治里尻5-9
 電話:0774-39-9377

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

あんどう裕と語る会 in 精華町のお知らせ9/29(土)18:30~

9月と10月のあんどう裕と語る会のお知らせです。

★あんどう裕と語る会 in 精華町
 日時:平成30年9月29日(土) 18:30~
 場所:かしのき苑大ホール
 相楽郡精華町南稲八妻砂留22番地1
 電話:0774-94-5200

★あんどう裕と語る会 in 京田辺市
 日時:平成30年10月27日(土) 18:30~
 場所:京田辺市中央公民館 1F 研修室1
 京田辺市田辺丸山214
 TEL : 0774-62-2552 
 

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

8/10 日本の未来を考える勉強会 提言書「〝自然災害大国〟における国土強靱化“投資”の財政措置に関する緊急提言」をアップしました。

本日、西村康稔内閣官房副長官に申入れた提言書をアップしました。

自然災害大国における国土強靱化投資の財政措置に関する緊急提言

〈参考資料1〉我が国における近年の主な自然災害

〈参考資料2〉土木学会緊急提言

防災投資の拡大が必須 ~財源は国債を活用~

7月初旬の西日本一帯を襲った豪雨は平成最大の被害をもたらしました。

vol47_1京都でも北部では大きな被害が発生しました。先日の大阪北部地震と今回の豪雨災害。さらにこれから台風シーズンを迎えるわけで、今年は自然災害の多い年と記憶されるかも知れません。
近年の雨の降り方は確実に激しくなっています。一時間あたり降水量80ミリ以上の雨の降り方のグラフ(図1)を見て下さい。

ご覧のとおり、確実に回数が増えています。同様に100ミリ以上の雨の降り方は1.7倍になっている。「想定外」という言葉をよく聞くようになりましたが、そういう雨の降り方は確実に増えているということです。

vol47_2しかし、それに対して治水関係予算は増えるどころか半分以下になっています。(図2)
これでは、日本人の安心・安全を守ることは出きません。公共事業悪玉論が、本来であれば最も重視しなくてはならない「国民の生活を守ること」をおろそかにしているのです。

さらに、これらの投資はやっていて効果が出ても目に見えないので「感謝されない」そして災害がなくて「あたりまえ」と感じるものです。目に見えないので、必要性が分かりにくい。確かに豪雨がなければ「無駄」でしょう。さらに、治水投資をして生活の安心を守られたとしても、治水事業をやっていたから大丈夫だったのだと考えてくれる人はほぼ「皆無」だと思います。でも、これらの事業はやらなくてはなりません。

こういう「感謝されない」しかし「やらなくてはならない」仕事をしてきたのが、官僚であり、建設事業者です。そして、これらの仕事の必要性を説明し、予算を確保するのは、政治家の仕事です。最近はこのような仕事をする政治家が絶滅して「公共事業は無駄」「ばらまきをやめろ」というスローガンばかりがもてはやされる時代になってしまいました。

このような地味な仕事を確実に計画的に実行することが必要です。何よりも、国民生活の安心安全を守り、同時に経済を活性化させ、デフレから脱却するための原動力にもなり、地方創生にも間違いなく効果があるのです。これらの仕事を確実に実行できるように、財政出動ができる政策に方向転換する必要を改めて感じました。

以前から私は、〝国債を積極的に活用して公共事業の拡大をすべき〟と主張してきましたが、今回の災害を受けて、新しく「日本の未来を考える勉強会」でも提言を取りまとめる予定です。国民の安心安全を守り、デフレからの完全脱却に向けて引き続き尽力して参ります。

-「ひろしの視点」第47号(2018年7月)より-

あんどう裕と語る会 in 八幡市のお知らせ8月6日(月)19:00~

8月と9月のあんどう裕と語る会のお知らせです

★あんどう裕と語る会 in 八幡市
 日時:平成30年8月6日(月)19:00~
 場所:八幡市文化センター
八幡市八幡高畑5-3
 電話:075-971-2111

★あんどう裕と語る会 in 精華町
 日時:平成30年9月29日(土)18:30~
 場所:かしのき苑大ホール
 相楽郡精華町南稲八妻砂留22番地1
電話:0774-94-5200

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

あんどう裕と語る会 in 宇治市のお知らせ7月28日(土)18:30~

7月と8月のあんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年7月28日(土)18:30~
 場所:ゆめりあうじ
    宇治市宇治里尻5-9
電話:0774-39-9377

★あんどう裕と語る会 in 八幡市
 日時:平成30年8月6日(月)19:00~
 場所:八幡市文化センター
八幡市八幡高畑5-3
    電話:075-971-2111

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

外国人の受け入れと日本人の賃金

骨太の方針では、外国人受け入れの拡大も明記されました。私は、この方針には明確に反対していきたいと思っています。

今、日本の経済は〝好調である〟ということになっています。しかし、好調なのは大企業の業績だけで、中小企業の利益が伸びているかといえば、確かに仕事は増えているものの利益はほとんど伸びていない。また、働く人の賃金も伸びていないのが現実です。実際、昨年の実質賃金の伸びはマイナス0・2%。名目賃金は少し上がったものの物価上昇がそれよりも上回ったために、実質的な手取りは減少しています。これでは景気が良いなどとは口が裂けても言えません。

なぜ賃金が伸びないのか。最近いろいろ考えるのですが、まず考えられることは、30年近くにおよぶ不況のおかげで、賃金は上がらないのが当たり前になってしまったことが大きな要因ではないかと思います。しかし、良い人材を採用しようと思ったら、高い給料を提示するのは当たり前です。特に最近は人手不足で、売り手市場と言われています。有効求人倍率も上昇して全国平均で1・6倍ほどとなり、失業率も下がり続けて2・5%と低水準になっています。

本当であれば、これだけ失業率が低ければ賃金が上昇するのが当然です。しかし、賃金は上がらない。なぜなのか。

過去の有効求人倍率と失業率の推移を調べてみました。驚きました。

高度経済成長の頃の失業率は、なんと1%台。バブルが崩壊してからは3%、4%、5%とひどい状況が続きますが、高度経済成長している時は、まさに「超人手不足」だったのです。だからこそ賃金も上げざるを得ないし、賃金が上がるから個人消費も伸び、さらに経済が好調になるという、現政権が目標としている「経済の好循環」が起きていた。これはこの時の1%台という「超低失業率」に起因するのではないかと考えています。

そう考えると、今の失業率はまだまだ高い。さらに最近は女性や高齢者が働くようになっているので、労働者はどんどん増え続けています。人口減少社会だから・・・というのは実は間違いで、今の日本では働く人は増え続けているのです。

そこに外国人を入れたらどうなるか。今のところ、日本よりも経済的に小さな国から来ている方々がほとんどです。日本では低賃金であっても母国の基準で考えれば高賃金ですから、日本人と同等の賃金が保証されれば喜んで働きます。外国人の雇用を容認することによって、結果として、日本人の経営者は低賃金で労働者を雇用することができる。経営的には楽になりますが、日本人の賃金アップには繋がらない。そうすると、かつての高度経済成長期のような、賃金上昇によって個人消費が拡大し、それが更なる好景気を呼ぶという経済の好循環が起こらない。いつまでもデフレ不況から抜けきれない
という流れになっているのではないでしょうか。 すでに日本は外国人受け入れ数が39万人。世界第四位の移民大国になっています。せっかく賃金上昇の好循環が起きようとしているのに、ここで外国人を入れて失業率を上げてしまってはダメなのです。日本人の賃金はこの後全く上がらない、ということになってしまいます。

しかし、経営者が低賃金で雇用をしなくてはならない事情もあります。例えば、農業でも最近は外国人の就労が増えています。日本の農産物は基本的に輸入が自由化されていますから、海外からの安い農産物が大量に入ってきます。これに対抗するためには、人件費も極力抑えなくてはなりません。高い日本の人件費ではとても競争に勝つことができない。安い賃金しか提示することができずに、その賃金で来てくれる外国人に頼らざるを得ない。そんな状況があるのではないかと思います。

また、建設業にも外国人は増えています。建設業も労務単価が他産業の平均に比べて100万円も安い。本当は賃金を上げて募集をするべきなのでしょうが、ご承知のとおり、建設業はずっと叩かれ続け、徹底的な競争になっているのでできるだけ原価を抑えなくてはならないという状況にあります。公共事業の労務単価も、ももっと上げるべきなのでしょうが、例のPB黒字化目標のために上げられません。その結果、日本人の若者は建設業に就かず、外国人に頼ることになっています。

他にも、今回の骨太の方針で外国人の受け入れ拡大の対象になっているのは、造船・介護・観光などが挙げられています。

私は骨太の方針の決定前の自民党の会議の中で、「安い賃金のままで日本人を雇用しても来ないから外国人を入れるというのは問題である。まず日本人の賃金を上げる努力をするべきだ。」と主張しました。その結果、骨太の方針には新たな在留資格による外国人材の受け入れは、「生産性向上や国内人材の確保のための取組(女性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等)を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受け入れが必要と認められる業種において行う。」という文言になりました。

ただ、外国人受け入れの流れは相当強いものになっています。自民党議員も、ほとんどが「人口減なので受入れやむなし」あるいは「受け入れを積極的に行うべき」という主張をしています。

しかし、人口減と言っても、今の日本は徐々に人口が減っているだけで、急激に人口減少社会になっているわけではありません。人口減が急いで外国人を入れなくてならない理由にはなりません。

それよりも人口減を止めるために必要な政策は、日本人の給料を上げることであり、結婚できて子育てできるだけの先行きの見通しを立てられる社会をつくることだと思います。人が足りないから外から連れてきて穴埋めしようというのはあまりにも安易な発想ではないでしょうか。

また、安全保障上の問題も大きいと思います。建設業にしろ農業にしろ造船にしろ、私たちの生活には欠かすことのできない大切な産業です。これらの産業に関わる中心的な人物が外国人になったら、私たちの生活の基盤を外国人に委ねることになります。

特に、先日も大阪北部で大きな地震がありました。京都での被害もありましたが、大規模災害が発生した時に、外国人が日本に残って復旧作業に当たってくれるかと言えば、それは難しいと考えておくべきでしょう。外国人の皆さんは、生活費を稼ぐために日本に来ているのであって、危ないところで命がけで働く義理はありません。むしろ、家族のために母国に帰るのが当然の選択です。災害大国の日本で、これから首都直下型地震や南海トラフ地震が確実にやってくると予想されている中で、一生懸命外国人技術者を育成しても、いざというときには皆いなくなってしまい、結果的に事業の継続ができずに廃業に追い込まれる。そういうことも想定しておくべきではないでしょうか。

まず政治の立場からできることは、公的なものの労務単価をできるだけ引き上げること。そして長期の安定発注を予測できるような長期計画を策定し、公表することであろうと思います。農業であれば、海外の安い農作物に対抗できるような農業支援予算を充実させて、日本人を雇用できる環境を整えることです。賃金を上げても大丈夫という安心感を経営者に持ってもらうことが必要だろうと考えています。

もう一つの論点は、上場企業の経営姿勢です。今の上場企業はあまりにも短期利益志向が強く、株主還元を重視し過ぎています。上場企業の利益は過去最高になっていますが、増えているのは配当金や自己株取得ばかりで、協力会社への支払いや人件費に向けられていません。かつての日本企業は、株主中心の経営ではなく、日本国の再興のために経営していたように思います。当然、短期利益を追求するばかりではなく、長期の発展を見据えてさまざまな投資をしてきました。その投資には、人材育成、協力会社育成もあったのです。大企業だけでなく、協力会社も従業員も共に栄える企業体を目指していたと思います。そのような慣行が「日本型経営はいけない」という風潮のなかで否定され続け、株主資本主義が蔓延しています。

また、長く続くデフレ不況のおかげで、コストカット経営がもてはやされるようになりました。今の大企業の経営者たちは、みな「コストカット」で出世してきた人たちばかりです。未来への投資ではなく、人件費削減、外注費削減、コスト削減のための海外移転。それがもてはやされ評価される時代が続きました。これも給料が上がらない、中小企業が儲からない一つの原因であると思います。

ヨーロッパでも、移民問題は深刻になっています。多文化共生とか外国人を差別するなという反対しにくい理由を述べる人も大勢いますが、人間の感情を無視してはいけません。ヨーロッパ各国は確実に移民を入れ過ぎて失敗しています。米国でさえ、メキシコ移民の問題でトランプ大統領は苦労していますし、米国で人種問題が再燃しかけているのは周知の事実です。これらの国が移民問題に政治的、社会的に莫大なコストをかけていることは皆よく分かっているはずです。世界各国が苦労しているし、日本人の賃金上昇に歯止めをかけてしまうという意味でも、外国人の受け入れは慎重にしなくてはなりません。

また、入ってくるのは親日感情を持つ人たちばかりではありません。日本に悪意を持っている人たちも当然入ってくると考えるべきです。まさに安全保障の問題になってきます。

これから外国人が増えていけば、外国人参政権の問題は必ず大きな政治課題になるでしょう。ただでさえ、平等意識の高いメディアからは、推進の声が上がるでしょう。おそらくその声には抗えません。そうなると政治にも外国人が入ってくることになります。

そして、今の出生率のまま推移するとなると、二世代ほど後の日本列島は、日本人ではなくて、〝ニッポンジン〟を名乗る全く別の人たちが中心になって住む国になっていることでしょう。これらの未来を予想しながら、それでも外国人受け入れを拡大するのか。慎重な議論が求められます。

-「ひろしの視点」第46号(2018年6月)より-

出演情報~7/1(日)東京MXテレビ「激論!サンデーCROSS」

7月1日(日)11:59~13:25 TOKYO MXテレビ
「激論!サンデーCROSS」(生放送)に出演します。

消費税10%へ~日本経済はどこへ行くのか?~
骨太の方針の閣議決定を受け、デフレ脱却、財政健全化等の視点を織り交ぜながら、消費税論を熱く展開します!

ゲスト:亀井静香(前衆議院議員)
   藤井聡(内閣官房参与・京都大学大学院教授) 他

*東京以外で視聴の場合は、PC・スマホでテレビが見られるアプリ「エムキャス」をダウンロードして下さい。

あんどう裕と語る会 in 井手町のお知らせ6月30日(土)18:30~

あんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 井手町
 日時:平成30年6月30日(土)18:30~
 場所:井手町商工会館
    綴喜郡井手町井手橋ノ本14-3
 電話:0774-82-4073

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年7月28日(土)18:30~
 場所:ゆめりあうじ
    宇治市宇治里尻5-9
電話:0774-39-9377

入場無料・事前連絡不要
当日直接会場にお越し下さい。