ひろしの視点

デフレ脱却はできるのか

先日2017年10~12月期のGDPの速報が出ました。

〝実質成長率は+0.1%(年率0.5%)で、8四半期連続プラス成長は28年ぶりとのこと。アベノミクスは順調に成功しています〟というのが新聞発表の論調でありました。

しかし、よく見てみるとなかなか厳しい現実が見受けられます。

デフレからの脱却の指標となるのは、実質成長率ではなく名目成長率と物価上昇率です。名目成長率は、マイナス0.0%(年率マイナス0.1%)。物価上昇率のGDPデフレーターはマイナス0.1。

つまり、経済規模は縮小しているが、物価下落が激しいので、実質経済成長率はプラスという計算になる、ということです。

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これは、つまり「まだ物価下落が持続的に続く『デフレ』から脱却できていない」ということになります。我々政権政党の議員はこのことを現実として受け止めなくてはなりませんし、新聞報道に惑わされずに現実を認識しなくてはなりません。

しかし、実際は「日本経済は順調でアベノミクスは成功している」「有効求人倍率も過去最高である」「株価も順調だ」「企業収益も過去最大を更新している」こういうニュースが駆け巡り、アベノミクスは成功しているように見えます。

しかし、賃金は多少上がったものの、まだまだ好調だったころの賃金には戻っていません。それどころか、かつては家庭の働き手は男性一人で十分家族を養えていたものが、夫婦共働きでなければ生活できないという環境になっています。世帯平均所得は1995年には659.6万円だったものが2015年には545.8万円と100万円以上も下落しています。共働き世帯が増えているにも関わらず、世帯所得が減っているということは、単身世帯の増加とともに共働きであっても、かつての所得を稼ぐことができていないという賃金の下落を端的に表しており、これが待機児童問題の原因の一つになっています。

デフレーションからの脱却ができれば、当然賃金も上昇しますし、物価上昇率よりも賃金の上昇率が上回って、初めて「デフレからの脱却が完了した」ということができますが、さきほど示したとおり、10~12月期のGDPは名目マイナス成長なので、デフレ脱却はまだまだ道半ばであるということになります。要するにアベノミクスは〝まだまだ〟なのです。

vol42-2残念ながら、〝自民党内でも経済は順調だ〟という認識が大勢です。ここで消費税を10%に増税してしまうと、経済が失速してデフレからの脱却が遠のき、財政はますます悪化することは「火を見るよりも明らか」です。しかも消費税増税は人が決めることです。天が決めることではありません。これによる経済の失速は明らかに「政治の失敗」「失政」という評価になるでしょう。これは何としても回避しなくてはならないと思っています。

引き続き「日本の未来を考える勉強会」を継続しています。ここでは、日本経済の現状を正しく認識し、消費税増税の是非を含め、採るべき経済政策を愚直に提案していきたいと考えています。3月ないし4月には提言を取りまとめて、党本部と総理官邸に提出する予定です。

どうかご期待下さい。

-「ひろしの視点」第42号(2018年2月)より-


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