8/10 日本の未来を考える会 提言書「〝自然災害大国〟における国土強靱化“投資”の財政措置に関する緊急提言」をアップしました。

本日、西村康稔内閣官房副長官に申入れた提言書をアップしました。

自然災害大国における国土強靱化投資の財政措置に関する緊急提言

〈参考資料1〉我が国における近年の主な自然災害

〈参考資料2〉土木学会緊急提言

防災投資の拡大が必須 ~財源は国債を活用~

7月初旬の西日本一帯を襲った豪雨は平成最大の被害をもたらしました。

vol47_1京都でも北部では大きな被害が発生しました。先日の大阪北部地震と今回の豪雨災害。さらにこれから台風シーズンを迎えるわけで、今年は自然災害の多い年と記憶されるかも知れません。
近年の雨の降り方は確実に激しくなっています。一時間あたり降水量80ミリ以上の雨の降り方のグラフ(図1)を見て下さい。

ご覧のとおり、確実に回数が増えています。同様に100ミリ以上の雨の降り方は1.7倍になっている。「想定外」という言葉をよく聞くようになりましたが、そういう雨の降り方は確実に増えているということです。

vol47_2しかし、それに対して治水関係予算は増えるどころか半分以下になっています。(図2)
これでは、日本人の安心・安全を守ることは出きません。公共事業悪玉論が、本来であれば最も重視しなくてはならない「国民の生活を守ること」をおろそかにしているのです。

さらに、これらの投資はやっていて効果が出ても目に見えないので「感謝されない」そして災害がなくて「あたりまえ」と感じるものです。目に見えないので、必要性が分かりにくい。確かに豪雨がなければ「無駄」でしょう。さらに、治水投資をして生活の安心を守られたとしても、治水事業をやっていたから大丈夫だったのだと考えてくれる人はほぼ「皆無」だと思います。でも、これらの事業はやらなくてはなりません。

こういう「感謝されない」しかし「やらなくてはならない」仕事をしてきたのが、官僚であり、建設事業者です。そして、これらの仕事の必要性を説明し、予算を確保するのは、政治家の仕事です。最近はこのような仕事をする政治家が絶滅して「公共事業は無駄」「ばらまきをやめろ」というスローガンばかりがもてはやされる時代になってしまいました。

このような地味な仕事を確実に計画的に実行することが必要です。何よりも、国民生活の安心安全を守り、同時に経済を活性化させ、デフレから脱却するための原動力にもなり、地方創生にも間違いなく効果があるのです。これらの仕事を確実に実行できるように、財政出動ができる政策に方向転換する必要を改めて感じました。

以前から私は、〝国債を積極的に活用して公共事業の拡大をすべき〟と主張してきましたが、今回の災害を受けて、新しく「日本の未来を考える勉強会」でも提言を取りまとめる予定です。国民の安心安全を守り、デフレからの完全脱却に向けて引き続き尽力して参ります。

-「ひろしの視点」第47号(2018年7月)より-

あんどう裕と語る会 in 八幡市のお知らせ8月6日(月)19:00~

8月と9月のあんどう裕と語る会のお知らせです

★あんどう裕と語る会 in 八幡市
 日時:平成30年8月6日(月)19:00~
 場所:八幡市文化センター
八幡市八幡高畑5-3
 電話:075-971-2111

★あんどう裕と語る会 in 精華町
 日時:平成30年9月29日(土)18:30~
 場所:かしのき苑大ホール
 相楽郡精華町南稲八妻砂留22番地1
電話:0774-94-5200

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

あんどう裕と語る会 in 宇治市のお知らせ7月28日(土)18:30~

7月と8月のあんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年7月28日(土)18:30~
 場所:ゆめりあうじ
    宇治市宇治里尻5-9
電話:0774-39-9377

★あんどう裕と語る会 in 八幡市
 日時:平成30年8月6日(月)19:00~
 場所:八幡市文化センター
八幡市八幡高畑5-3
    電話:075-971-2111

入場無料・事前連絡不要です。
当日直接会場にお越し下さい!

外国人の受け入れと日本人の賃金

骨太の方針では、外国人受け入れの拡大も明記されました。私は、この方針には明確に反対していきたいと思っています。

今、日本の経済は〝好調である〟ということになっています。しかし、好調なのは大企業の業績だけで、中小企業の利益が伸びているかといえば、確かに仕事は増えているものの利益はほとんど伸びていない。また、働く人の賃金も伸びていないのが現実です。実際、昨年の実質賃金の伸びはマイナス0・2%。名目賃金は少し上がったものの物価上昇がそれよりも上回ったために、実質的な手取りは減少しています。これでは景気が良いなどとは口が裂けても言えません。

なぜ賃金が伸びないのか。最近いろいろ考えるのですが、まず考えられることは、30年近くにおよぶ不況のおかげで、賃金は上がらないのが当たり前になってしまったことが大きな要因ではないかと思います。しかし、良い人材を採用しようと思ったら、高い給料を提示するのは当たり前です。特に最近は人手不足で、売り手市場と言われています。有効求人倍率も上昇して全国平均で1・6倍ほどとなり、失業率も下がり続けて2・5%と低水準になっています。

本当であれば、これだけ失業率が低ければ賃金が上昇するのが当然です。しかし、賃金は上がらない。なぜなのか。

過去の有効求人倍率と失業率の推移を調べてみました。驚きました。

高度経済成長の頃の失業率は、なんと1%台。バブルが崩壊してからは3%、4%、5%とひどい状況が続きますが、高度経済成長している時は、まさに「超人手不足」だったのです。だからこそ賃金も上げざるを得ないし、賃金が上がるから個人消費も伸び、さらに経済が好調になるという、現政権が目標としている「経済の好循環」が起きていた。これはこの時の1%台という「超低失業率」に起因するのではないかと考えています。

そう考えると、今の失業率はまだまだ高い。さらに最近は女性や高齢者が働くようになっているので、労働者はどんどん増え続けています。人口減少社会だから・・・というのは実は間違いで、今の日本では働く人は増え続けているのです。

そこに外国人を入れたらどうなるか。今のところ、日本よりも経済的に小さな国から来ている方々がほとんどです。日本では低賃金であっても母国の基準で考えれば高賃金ですから、日本人と同等の賃金が保証されれば喜んで働きます。外国人の雇用を容認することによって、結果として、日本人の経営者は低賃金で労働者を雇用することができる。経営的には楽になりますが、日本人の賃金アップには繋がらない。そうすると、かつての高度経済成長期のような、賃金上昇によって個人消費が拡大し、それが更なる好景気を呼ぶという経済の好循環が起こらない。いつまでもデフレ不況から抜けきれない
という流れになっているのではないでしょうか。 すでに日本は外国人受け入れ数が39万人。世界第四位の移民大国になっています。せっかく賃金上昇の好循環が起きようとしているのに、ここで外国人を入れて失業率を上げてしまってはダメなのです。日本人の賃金はこの後全く上がらない、ということになってしまいます。

しかし、経営者が低賃金で雇用をしなくてはならない事情もあります。例えば、農業でも最近は外国人の就労が増えています。日本の農産物は基本的に輸入が自由化されていますから、海外からの安い農産物が大量に入ってきます。これに対抗するためには、人件費も極力抑えなくてはなりません。高い日本の人件費ではとても競争に勝つことができない。安い賃金しか提示することができずに、その賃金で来てくれる外国人に頼らざるを得ない。そんな状況があるのではないかと思います。

また、建設業にも外国人は増えています。建設業も労務単価が他産業の平均に比べて100万円も安い。本当は賃金を上げて募集をするべきなのでしょうが、ご承知のとおり、建設業はずっと叩かれ続け、徹底的な競争になっているのでできるだけ原価を抑えなくてはならないという状況にあります。公共事業の労務単価も、ももっと上げるべきなのでしょうが、例のPB黒字化目標のために上げられません。その結果、日本人の若者は建設業に就かず、外国人に頼ることになっています。

他にも、今回の骨太の方針で外国人の受け入れ拡大の対象になっているのは、造船・介護・観光などが挙げられています。

私は骨太の方針の決定前の自民党の会議の中で、「安い賃金のままで日本人を雇用しても来ないから外国人を入れるというのは問題である。まず日本人の賃金を上げる努力をするべきだ。」と主張しました。その結果、骨太の方針には新たな在留資格による外国人材の受け入れは、「生産性向上や国内人材の確保のための取組(女性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等)を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受け入れが必要と認められる業種において行う。」という文言になりました。

ただ、外国人受け入れの流れは相当強いものになっています。自民党議員も、ほとんどが「人口減なので受入れやむなし」あるいは「受け入れを積極的に行うべき」という主張をしています。

しかし、人口減と言っても、今の日本は徐々に人口が減っているだけで、急激に人口減少社会になっているわけではありません。人口減が急いで外国人を入れなくてならない理由にはなりません。

それよりも人口減を止めるために必要な政策は、日本人の給料を上げることであり、結婚できて子育てできるだけの先行きの見通しを立てられる社会をつくることだと思います。人が足りないから外から連れてきて穴埋めしようというのはあまりにも安易な発想ではないでしょうか。

また、安全保障上の問題も大きいと思います。建設業にしろ農業にしろ造船にしろ、私たちの生活には欠かすことのできない大切な産業です。これらの産業に関わる中心的な人物が外国人になったら、私たちの生活の基盤を外国人に委ねることになります。

特に、先日も大阪北部で大きな地震がありました。京都での被害もありましたが、大規模災害が発生した時に、外国人が日本に残って復旧作業に当たってくれるかと言えば、それは難しいと考えておくべきでしょう。外国人の皆さんは、生活費を稼ぐために日本に来ているのであって、危ないところで命がけで働く義理はありません。むしろ、家族のために母国に帰るのが当然の選択です。災害大国の日本で、これから首都直下型地震や南海トラフ地震が確実にやってくると予想されている中で、一生懸命外国人技術者を育成しても、いざというときには皆いなくなってしまい、結果的に事業の継続ができずに廃業に追い込まれる。そういうことも想定しておくべきではないでしょうか。

まず政治の立場からできることは、公的なものの労務単価をできるだけ引き上げること。そして長期の安定発注を予測できるような長期計画を策定し、公表することであろうと思います。農業であれば、海外の安い農作物に対抗できるような農業支援予算を充実させて、日本人を雇用できる環境を整えることです。賃金を上げても大丈夫という安心感を経営者に持ってもらうことが必要だろうと考えています。

もう一つの論点は、上場企業の経営姿勢です。今の上場企業はあまりにも短期利益志向が強く、株主還元を重視し過ぎています。上場企業の利益は過去最高になっていますが、増えているのは配当金や自己株取得ばかりで、協力会社への支払いや人件費に向けられていません。かつての日本企業は、株主中心の経営ではなく、日本国の再興のために経営していたように思います。当然、短期利益を追求するばかりではなく、長期の発展を見据えてさまざまな投資をしてきました。その投資には、人材育成、協力会社育成もあったのです。大企業だけでなく、協力会社も従業員も共に栄える企業体を目指していたと思います。そのような慣行が「日本型経営はいけない」という風潮のなかで否定され続け、株主資本主義が蔓延しています。

また、長く続くデフレ不況のおかげで、コストカット経営がもてはやされるようになりました。今の大企業の経営者たちは、みな「コストカット」で出世してきた人たちばかりです。未来への投資ではなく、人件費削減、外注費削減、コスト削減のための海外移転。それがもてはやされ評価される時代が続きました。これも給料が上がらない、中小企業が儲からない一つの原因であると思います。

ヨーロッパでも、移民問題は深刻になっています。多文化共生とか外国人を差別するなという反対しにくい理由を述べる人も大勢いますが、人間の感情を無視してはいけません。ヨーロッパ各国は確実に移民を入れ過ぎて失敗しています。米国でさえ、メキシコ移民の問題でトランプ大統領は苦労していますし、米国で人種問題が再燃しかけているのは周知の事実です。これらの国が移民問題に政治的、社会的に莫大なコストをかけていることは皆よく分かっているはずです。世界各国が苦労しているし、日本人の賃金上昇に歯止めをかけてしまうという意味でも、外国人の受け入れは慎重にしなくてはなりません。

また、入ってくるのは親日感情を持つ人たちばかりではありません。日本に悪意を持っている人たちも当然入ってくると考えるべきです。まさに安全保障の問題になってきます。

これから外国人が増えていけば、外国人参政権の問題は必ず大きな政治課題になるでしょう。ただでさえ、平等意識の高いメディアからは、推進の声が上がるでしょう。おそらくその声には抗えません。そうなると政治にも外国人が入ってくることになります。

そして、今の出生率のまま推移するとなると、二世代ほど後の日本列島は、日本人ではなくて、〝ニッポンジン〟を名乗る全く別の人たちが中心になって住む国になっていることでしょう。これらの未来を予想しながら、それでも外国人受け入れを拡大するのか。慎重な議論が求められます。

-「ひろしの視点」第46号(2018年6月)より-

出演情報~7/1(日)東京MXテレビ「激論!サンデーCROSS」

7月1日(日)11:59~13:25 TOKYO MXテレビ
「激論!サンデーCROSS」(生放送)に出演します。

消費税10%へ~日本経済はどこへ行くのか?~
骨太の方針の閣議決定を受け、デフレ脱却、財政健全化等の視点を織り交ぜながら、消費税論を熱く展開します!

ゲスト:亀井静香(前衆議院議員)
   藤井聡(内閣官房参与・京都大学大学院教授) 他

*東京以外で視聴の場合は、PC・スマホでテレビが見られるアプリ「エムキャス」をダウンロードして下さい。

あんどう裕と語る会 in 井手町のお知らせ6月30日(土)18:30~

あんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 井手町
 日時:平成30年6月30日(土)18:30~
 場所:井手町商工会館
    綴喜郡井手町井手橋ノ本14-3
 電話:0774-82-4073

★あんどう裕と語る会 in 宇治市
 日時:平成30年7月28日(土)18:30~
 場所:ゆめりあうじ
    宇治市宇治里尻5-9
電話:0774-39-9377

入場無料・事前連絡不要
当日直接会場にお越し下さい。

日本の未来を考える勉強会 提言Ver.2をアップしました

あんどう裕主宰「日本の未来を考える勉強会」提言
「デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、
財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言~思い切った財政出動を~(Ver.2)」をアップしました。

H30年度 日本の未来を考える勉強会提言書〈最終版〉

第7回あんどう裕政経フォーラム開催! ゲスト:藤原正彦先生[お茶の水女子大学名誉教授]

注目

毎年開催をさせて頂いております「衆議院議員 あんどう裕 政経フォーラム」の開催が決定致しました。
今回は、講師として、『国家の品格』の著者としてお馴染みの、お茶の水女子大学名誉教授で数学者の藤原正彦先生をお迎えし、藤原先生ならではの語り口で、現代社会の課題や日本論について、お話しを頂きたいと思います。
出席をご希望の方は、添付の申込み書をお送り頂くか、京都事務所(0774-28-6789)までお気兼ねなくご連絡下さい。

●日 時 
平成28年6月17日(日)
開会17時45分[受付17時~]                                    
●場 所 
ホテルグランヴィア京都3階「源氏の間」                           
京都市下京区烏丸通塩小路下ルJR京都駅ビル内 電話075-344-8888
●内 容
〈第一部〉講演会「21世紀の日本」 藤原正彦先生〈お茶の水女子大学名誉教授〉
〈第二部〉懇親会
●会 費
20,000円

政経フォーラム申込書         

あんどう裕と語る会 in 木津川市のお知らせ5月27日(日)18:00~

あんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 木津川市
 日時:平成30年5月27日(日)18:00~
 場所:中央交流会館 いずみホール 研修室1・2
    木津川市木津宮ノ内92
 電話:0774-72-8800

★あんどう裕と語る会 in 井手町
 日時:平成30年6月30日(土)18:30~
 場所:井手町商工会館
    綴喜郡井手町井手橋ノ本14-3
 電話:0774-82-4073

入場無料・事前連絡不要
当日直接会場にお越し下さい。

あんどう裕と語る会 in 笠置町のお知らせ 4月21日(土)18:30~

あんどう裕と語る会のおしらせです。

★あんどう裕と語る会 in 笠置町
 日時:平成30年4月21日(土)18:30~
 場所:笠置町 産業振興会館
    綴喜郡笠置町笠置佃46
 電話: 0743-95-2880

★あんどう裕と語る会 in 木津川市
 日時:平成30年5月27日(日)18:00~
 場所:木津川市 中央交流会館いずみホール
    木津川市木津宮ノ内92
 電話: 0774-72-8800

入場無料・事前連絡不要
当日直接会場にお越し下さい。

働き方改革の議論 ~真のアベノミクス成功のために~

働き方改革法案の党内議論が進んでいます。労働法の扱いは本当に難しいものです。職場によって働き方は異なるし、これをひとつの法律で一律に決めてしまうのは、決して良くないし難しいと感じています。

例えば、残業にしても、所定時間を超えて仕事をしたら残業代を支払うことになっています。当然といえば当然ですが、しかし、これも考えようによったら、仕事の早い人は所定時間内に仕事が終わるけれど、仕事の要領が悪くて作業の遅い人は残業しなくてはならない。その時には、同じ業務量なのに、仕事の遅い人のほうが給料が高くなる、ということになります。これはこれで不合理を感じる人は感じるでしょう。そういう意味では、裁量労働制にも一定の合理性はあります。野党の皆さんは「残業代ゼロ法案」とか「働かせ放題」と批判をしていますが、それはちょっと違うのではないか、と思います。

vol43-1今回の働き方改革の目玉は、いわゆる「同一労働同一賃金」と「残業時間の上限規制」ということになるでしょう。「同一労働同一賃金は、長く野党が主張してきていたものです。自民党としては、非正規雇用の方々の処遇改善という意味で今回「同一労働同一賃金」を入れるということにしましたが、私自身は、「同一労働同一賃金」という言葉は誤解を招くので使うべきではないと感じています。

もとより、「同一労働」は定義ができません。同じような職種で働いている人でも、働いている内容は多かれ少なかれ異なります。「同一労働」は定義できない概念です。

たとえば、スーパーでレジを打つにしても、ある人はにこやかに「いらっしゃいませ」という人もいれば、ある人は下を向いてぶっきらぼうに無表情で「いらっしゃいませ」という人もいます。

どちらが職務に前向きで職場に貢献しているかは明らかです。これも「同一労働」で「同一賃金」であるべきなのか。当然に仕事の優劣によって差があるべきで、そうでなくては優秀な前向きな人が報われないことになります。

今回提案する内容は、正確に言うと「同一労働同一賃金」ではなく、「不合理な待遇差をなくす」というものです。合理的な説明ができれば、もちろん賃金の差があってもいい。そういう内容になっています。しかし「同一労働同一賃金」という言葉が独り歩きすると、勘違いして「同じ労働しているのだから同じ賃金でなくてはおかしい」と言い始める人が出てくるのではないか。そうなると職場が混乱し、「悪平等」を求められて経営者が疲弊するのではないか。私からはそんな懸念を党内議論で申し上げました。

もう一つ、「残業代の上限規制」については、働き過ぎを規制するためにはある程度規制強化が必要ではないかという趣旨で導入されるものです。もちろん、残業なしである程度の給料をもらえるのが理想です。しかし、なかなか現実はそうなっていません。また、予想以上に注文が来てしまって残業しなくては注文に追い付かないという場合もあるでしょう。そういう時に、法律の規制があるから受注機会を逃してしまう。そういうこともあってはならないと思います。そうなっては、中小企業は中小企業のまま大きくなることができません。どこかで無理をしなくてはならない時期もあるでしょう。そういう時も一律に罰則付きで規制するのは、それも問題ありだと思います。

また、残業代の上限規制が入ると残業代削減になるので、結局雇用者の所得減につながるのではないかという指摘もあります。労働者保護はいいのですが、それによって給料が減ってしまってはアベノミクスに逆行することになります。これはそうならないように賃上げとセットで考えて行かなくてはなりません。

vol43-2これから日本は人口減で労働者人口が減っていきます。単純に考えれば、その分労働時間は増えていきますが、そこは様々な技術開発、ITやAI導入によって補い、結果として労働時間は短縮されるが一人当たり給料は上がっていく。今まで二人で仕事していたものを一人ですることができるようになり、一人で二人分の給料をもらえるようになる。そういう雇用環境を作ることができれば、最も好ましいと思います。

それには、特に大企業の経営者の考え方を変えてもらう必要があります。利益至上主義ではなく、従業員にも十分に利益分配をするように経営方針を明確化してもらうことが必要なのです。

それでこそ、今回の働き方改革は成功すると思います。そういう意味では、まだまだこの法案はうまくいくにはいくつものハードルがあると思います。労働時間短縮と賃金アップ。この両方を実現することがアベノミクス成功の要点だと思います。

-「ひろしの視点」第43号(2018年3月)より-