ひろしの視点

MMT国際シンポジウムが開催されました

7月16日、東京の衆議院第一議員会館にて、ニューヨーク州立大学教授のステファニー・ケルトン教授にご参加頂き、京都大学主催で「MMT国際シンポジウム」が開催されました。

私もこのプロジェクトについては、会場の手配をはじめ、お手伝いをさせて頂きました。

万が一、衆議院解散になってダブル選挙になっていれば、衆議院会館も使えなくなるところだったので、この面からも解散がなくて良かったです。

参加者も別会場も含めれば800名ほど。記者会見も100名近くの記者が取材に来て頂き、一定の成果を挙げることができました。

ケルトン教授とは、主催者である京都大学の藤井聡教授のお計らいで、西田昌司先生、公明党の竹内譲先生と共に昼食をご一緒させて頂きました。シンポジウムでの講演の様子や記者会見の模様は、YOUTUBEで見ることができますので、ぜひご覧ください。

MMT現代貨幣理論は、米国でも主流派経済学者から異端の理論と言われていますが、ケルトン教授も長年そういう学者と対峙して苦労してこられたようです。

しかし、貨幣の本質、そして財政当局の処理や銀行融資などの実務に立脚したこの現代貨幣理論は「現実」です。これに対して、主流派経済学が取り扱う経済学の中には、貨幣論がありません。これが今の財政政策に使われている主流派経済学の致命的な欠陥であり、天動説と言われるゆえんなのです。

経済成長は、国民の実体経済の中で流通する貨幣供給量を増やすことによって実現します。貨幣供給量を増やさなければ、経済活動は単なるパイの奪い合いになってしまいます。

従って、経済成長させるためには、貨幣供給量を徐々に増やさなくてはなりません。

では、貨幣供給量はどのように増やせばいいのか。貨幣は、誰かが借金をすることによって発生し、借金を返済することによって消滅します。民間企業が投資などのために借金をすると、それだけ通貨が新しく発行され、それが使われることによって最終的には家計に流入し国民が豊かになります。(ここがMMT現代貨幣理論の特徴です。銀行が融資をするという行動は、誰か別の人の預金をその他の人に貸し出すのではなく、新たに預金という通貨を発行して貸し付けているのです。これが銀行実務なのです。主流派経済学は、この点を完全に誤解しています)

企業会計上は黒字でも、資金収支の上では借金を積み上げていくのが成長する企業の行動です。

好景気で日本中の企業が借金を拡大している経済状態の時は、政府が何もしなくても勝手に民間で通貨供給量が増えて、家計に貨幣が供給され国民が豊かになっていきます。(この供給量の速度が速すぎると高インフレとなり、うまくコントロールしないと通貨が膨張し過ぎてバブルになります。)


ニューヨーク州立大学
ステファニー・ケルトン教授

日本ではバブル崩壊後、企業は借金をせず、返済をすることを優先しました。借金を返済するということは貨幣を消却することにつながります。世の中に流通する貨幣を消却しているのだから経済は縮小します。これがデフレの原因です。誰かが借金を減らしている時は、誰かがその代わりに借金を増やさなければ、貨幣供給量は減少してしまい経済が縮小するのです。だから、デフレ不況の時は政府が借金をして貨幣供給量を増やし、これを実体経済に注入して家計に貨幣が供給されるようにしなくてはならないのです。その政策を採用できなかったのは、国債の役割が国家の実体経済に対する貨幣供給であり、借金することによって貨幣が発行されて国民が豊かになっていることが理解されていなかったからです。

ケルトン教授を招聘したMMTシンポジウム以降、MMTに関するニュースは確実に増えました。山本太郎氏もMMTの理論は理解していると思われます。財政赤字こそが国民の黒字であり、国民を豊かにする最も早く有効な処方箋なのです。

今後とも、MMT現代貨幣理論の理解を広めるために尽力していきたいと考えています。間違いなく緊縮財政という呪縛に完全に縛られている日本経済をデフレ不況から脱却させる解毒剤になるでしょう。


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